1つだけ、抽象的な目標を掲げようと思う。
中長期的な目標になるかも知れない。
それは「一流、二流、三流をそれぞれきちんと目指す」ということ。

一流というのは、一通りのことが申し分なくできていて、なおかつ自分の工夫によって、新たな価値を創造できる人。自分と違う流儀の人に対しても、一定の理解と敬意を持つことができる人。つまり、その分野において人を指導できる人。

二流というのは、マニュアルやセオリーに従い、だいたい一通りのことがソツなくこなせる人。また、困ったときに相談できる一流の人を複数(直接の上司や師匠のほかにも)持っている人。その助言の後押しを得て、マニュアル通りではない価値を生み出すことにも貢献できる。つまり、仕事としてそれができる人。

三流というのは、自分がやりたいと思うことができている人。言っていることもやっていることもそれほど間違いではなく、助言をもらった時に、その助言の意味を理解して改善していくことができる人。

という風に大雑把に整理してみる。そうすると、ある人が常に二流ということはなく、関心分野によって一流だったり、三流だったりすることが当然のようにある。そして、考え方によっては「少なくともきちんと三流であればよい」ということになる。

本来自分がその分野において一流であるべきはずなのに、その方が楽だからという理由で三流のフリをしている、なんていうのは論外としても、もしも自分が1.5流とか、2.5流の状態にあるとしたら、それは極めてスリリングな状態なので、なるべく早く上の状態に到達できるよう努力した方がいい。ただ、そういうスリリングな状態のさなかに、楽しい偶然が生まれる可能性はある、と思う。

あるいはエネルギーを他に回すなどして、手前の状態で自分を確定してしまうことも悪くはないか。私の年齢でいうと、これから新たに覚えようとする事柄については三流どまりになると思うし、昔ちょっとかじったこととかを、二流の水準までもっていくことができれば最高で、要するにそれは自分の特技になるわけだ。