ワックス雑巾の話

小学校の頃、
確か、昼休みの後に掃除の時間があり、たまにワックスがけをした。
ある日、私はワックスの日にも関わらず、ワックス雑巾を持っていなかった。


担任の先生(通称ジン)が、
「誰かに借りなさい」と言い、


その時、誰だったか忘れたけど、
「ふみちゃんの空ぶき雑巾使っちゃえば?」


みたいなことを言ったので、許可を得たつもりになって、
ふみちゃんの雑巾を勝手に、ワックスまみれにして使ってしまい、
しかもそのまま戻して、
しかもふみちゃんに事情の説明もしなかった。
(ふみちゃんは掃除当番ではなかったので)


ふみちゃんは怒った。


「雑巾使ったから怒ってるんじゃない!
 私に何も言わないから、怒ってるのよー!」


そして「終わりの会」(HR)でも告発された。


私は、当時、本当にどうしようもない人間だったので、
「ごめんなさい。でも……」みたいなことをグダグダ言い出した。


それでいよいよジンも怒り出し、
「お前、そんな態度で謝っていると言えるのか?
 謝るなら、ちゃんと謝れ!
 謝るつもりがないなら、謝るな!」
と言って、叱った。


私はびびってしまって、何も言えなくなってしまい、
ぷるぷると黙っていると、


ついにふみちゃんが、女子のリーサルウエポン、


「もういいです。わかりましたっ」


を言い放ち、
そして、その日の終わりの会は終わったのでした。


今もなお、ダメ人間を継続中ですが、
この日の出来事は肝に銘じておいて正解だったと思います。


「貴方が気分を害したのなら、
 私の言い方が悪かったのでしょう。
 その点については、謝ります。
 でも……」


みたいな言い回しは、社会人の常套句です。


ビジネス本を読むと、
ある分野の本においては上記論法は絶対NGとされ、
別の分野の本においては高等テクニックとされています。
立ち読みレベルなので、確信を持って言っているわけではありませんが。


実際、この話術を使うことで難を切り抜けることもあるでしょうし、
時と場合によっては、
自分の評価をいっそう下げる結果になるでしょう。


また他にも色々なバリエーションがあるわけです。


何を悩んでいるかというと、中二病に良く似た諸症状なのですが、
私ももうすぐアラフォーなので、
大人のずるさみたいなのも、少しずつ、取り入れていく必要があります。


自分に向いていないことはしたくありません。
正直、私には何が向いているのか判断がつきません。複雑な心境です。