過去の栄光へのスイッチを押してみた夜

週に一回、近所の居酒屋で飲む私。
ちょっとマンネリ気味です。


昨日はママと会話をしました。
記憶を元に再現しているので、つなぎの会話が取れて話が若干飛び飛びになりますが、実際の会話では、何となく上手くスムーズに流れています(編集注)。


ママ「うちのサワーはみんなおいしいって言ってくれるんだけど、ベースにウォッカを使っているのよ」
ママ「シロップも沢山あるけど、紙パックじゃなくて、ボトルのを使っているの」
ママ「やっぱり、味が違うと思うわー」
ママ「ウォッカにも色々な種類もあるし、ジンもそうよ。私はあまりカクテルは飲まないけど、このカクテルのベースは何ですかって聞いてみるのは、失礼なことじゃないわ」
すずめ「ウォッカはあまり匂いがないから飲みやすいなあ。ジンは色々な香りが組み合わさって複雑になっているから、その香りだけで混乱して酔っぱらってしまうような気がする」
ママ「何てったって、ジンで始まり、ジンで終わるっていう格言もあるのよ!」
ママ「ジンフィズが一番難しいっていう人もいるわ」


ママ「今度バーに行ったら、レインボーっていうカクテルが作れるかどうかを聞いてみてごらん」
ママ「函館でつくれる人が今、何人いるかなー」
すずめ「ちょっとシノン館に聞いてみるね」
すずめ「……」
ママ「作れますかって聞いたらダメよ」
すずめ「もうメールしちゃった(-.-;;」


ママ「今日は酔っていて作れませんって断る人もいるくらい、難しいカクテルよ」
ママ「比重の重いものから順番にのせていくの。卵の黄身とかもあったかしら」
すずめ「比重もあるし、温度の関係もあるだろう」←環境系ブログ風コメント


ママ「な〜んでストローで飲まなくちゃいけないのよーって思うんだけど(笑)」
ママ「かき混ぜたりしないで、下から順番に飲むの」
ママ「飲みたいかっていったら、あんまし、飲みたくはないカクテルねえ」
ママ「見た目の鮮やかさ。雰囲気とムードを楽しむのよ」


……


すずめ「鏡月って、ボクはストレートやロックで飲めないなあ」
ママ「それは、すずめ君が酒飲みじゃないからよ」
すずめ「はい」
ママ「多分、すずめ君はあちこち飲み歩いていると思うけど、お酒の飲み方を知らないと思うわ」
ママ「グラスにウォッカを入れて、火をつけるのよ」←お店目線的な
ママ「そうやって暖めたグラスにブランデーを入れる」←お店目線的な
ママ「それを手の中でゆっくり回しながら、雰囲気を味わいながら飲むの」←ここからお客さんマター
ママ「かぁーって飲んだらダメよ」
すずめ「飲めないです」
ママ「今でもそういう時代を感じる飲み方している人、いるでしょ?」


……


すずめ「シノン館からメールが返ってきたよ」
シノン館「オヒサシブリデス モチロンツクレマスガ ノンデオイシイ カクテルジャナイヨ」←プライバシー保護のため音声は改変されています
ママ「もちろん作れますが……」←読み上げる
ママ「は〜」
ママ「ま、すずめ君も一度飲んでみたらいいんじゃない?」
すずめ「今度頼んでみます」
ママ「お店が忙しい時に頼んだらダメよ」
すずめ「はい」


……


すずめ「何か、少し上品な……、クラブっぽいところに行くと、グラスがものすごくピカピカでずらっと並んでいて、ちょっと金色にも見えるくらい輝いているというか……、そんな感じがあるんですけど」
ママ「そうしたらね。手の指にちょっと水をつけて、グラスの縁をなぞってみるといいわ」
ママ「そうするといいグラスは、キュィーンって金属的な音がするの」
ママ「(手元の)このグラスだったら、そんな音はしないわ」
すずめ「バカラとかだったら鳴りますか?」
ママ「もちろんよー。でもバカラでも、■■■が■■■のだと鳴らないわ」←よく聞き取れず
すずめ「むむむ」


だいたいそんなような会話を経て、ママの過去の栄光へのスイッチが押ささりました。


ママ「とにかく私の頃は飲んだわ」
ママ「ほーっんとに」
ママ「飲んで飲んで飲んで飲んで」←函館弁の4回繰り返す法則
ママ「昔のホステスは飲んでナンボよ」
ママ「今だったら、ウーロン茶飲みますって、はーっ?って感じよー」
ママ「だから酔ったホステスなんか、家に帰しちゃうわ」
ママ「あんた、もういいから、帰りなさい」
ママ「私、まだまだ飲めますっ」←寸劇入る
ママ「ダメよ。お客さんと会話できないんだから、もう帰りなさい」
ママ「その代わり、絶対自分は酔えないんだから大変よ」
ママ「バーボンサワーを15杯も飲んで、酔っぱらわないんだから」
ママ「だって、酔ったらお客さんと会話できないんだもーん」


ママ「お客さんが誰を目当てにきているのかを悟ることは大事なことよ」
ママ「私のことが目当てじゃないんだわ。じゃ、誰なんだろう?」←臨場感入る
ママ「相性ってあるわ」
ママ「相性にもランクがあって、相性A、相性B、相性C……ってあるの」
ママ「お客さんにもあるし、ホステスさんにもあるの」
ママ「すずめ君にも相性のいい人いたと思うんだけど、相性Aにはなかなか出会ってないと思うわ」
ママ「何か、盛り上がっていないなと思ったら、違う人に変えてみたり」
ママ「会話がいい雰囲気で続いている時は、そのままにしておくのが大事なことよ」
ママ「私がつくのは、他の人がつかないから、仕方なくついているだけよ」
ママ「私なんかは、本当に、■■■で■■■なだけよ」
ママ「ママが一番のお店は続かないのはそういうことよ」
ママ「何でも私が一番、私が私が私がっていうようなママだったら、ダメね」
ママ「私はそう思うなあ」←ここで会心の笑み
ママ「勿論、沢山の女の子を使っているような時は、よ」


マスター「なあ、ママ。そんなこと言ってないで。たまには飲みに行って、何も考えないで飲んだらどうだ。なあ、そういう時間を作ることも、なあ、オレはなー、大事なことだと思うぞ。オレと二人で飲みにいっても、まあ、なんていうか、カタチにはまっちゃうというか。なあ、だから……」
ママ「私、昔っから、飲み歩かない方だったのよ」
ママ「飲みに出ても、自分のお店の名前はすぐになんか出さなかったわ。それが礼儀よ」
ママ「■■■で■■■で……」
マスター「そんなこと言って、我慢してたら、永久にそんな、時間なんてつくれないぞ」
ママ「あのね! はき違えて欲しくないんだけど、私は飲みに行くのを我慢しているんじゃないのよ」
ママ「■■■で■■■で……」
ママ「だって、私はこれでずっとやってきたんだもん!」


すずめ「うーん。とりあえず今度、一緒にシノン館に行こうか」←とりあえず言ってみるテスト
ママ「良かったわ。すずめ君のおごりでね!」
すずめ「ううっ(-.-;;;;;」


………
……


どなたか、機会があれば、私のスイッチも押してみてはいかがでしょうか?←これがオチ